英語のニュアンスの9割は「助動詞」にある

またまた、「助動詞」の登場です!

それほど助動詞を取り上げるのは、それほど助動詞は英文中で重要な役割を果たしているからです。

時制の次に大切なのが「助動詞」です。よく「英語には敬語表現がほとんどない」と言われたりしますが、これは大きな誤解です。

英語では、人間関係の微妙な温度差や、感情の特徴、そして相手への経緯や配慮を助動詞に込めています。


◎ 「had better」=「~したほうがいい」はウソ

 よく誤解されているのが、「should」「had better」「must」「may」の使い方。シチュエーションごとに使い分けをしなくてはならない重要な表現です。

 たとえば、参考書などには、「should(~すべきだ)」「had better(~したほうがいい)」などと書かれていますが、この訳し方は完全に間違っています。たとえば、


You had better do it.


と言うときは、「お前、それをやらないとヤバイぞ」ぐらいの意味があって、かなり強烈なインパクトを与えます。逆に


You should do it.


の方は友達同士で言い合えるような「したほうがいいよ」という表現になります。さらにもっと優しく言いたいときには、


You might want to do it.


になります。

いずれにしても、「had better」はかなり強い表現で「you」を主語にした場合には、相手を子ども扱いして、上から目線かなりお節介なことを言うようなニュアンスが含まれます。このあたりの説明が日本の参考書ではかなり不正確です。


◎ 「would like」=「wantの丁寧表現」ではない

 「would」の使い方にも細心の注意を払う必要があります。日本の参考書ではこのあたりをうまく解説しているものはほとんどありません。たとえば、


I'd like some coffee.


の場合、「would likeはwantの丁寧な言い方だ」と教えられたと思います。細かい説明がないままに暗記させられるので、ただ単に熟語として覚えこんでしまっている人がほとんどです。もったいないですね!


 基本的に「would」には「事実と反する想像」の意味があります。たとえば、"I like coffee."という文は、「私はコーヒーが好きだ」という事実を表現しているだけですね。

 一方、"I would like some coffee."は、「いまこの場にコーヒーはないんだけど、もしもあったらコーヒーが好き」→「もしコーヒーがあれば、うれしいな」というニュアンスを含むことになります。それが「コーヒーを入れていただけませんか?」という婉曲的な言い回しとして使われます。

 こういうイメージで覚えておけば「| would love ~」「I would hate ~」「I would prefer ~」という表現に込められた意味合いも理解した上で応用していくことができそうです。


今日はここまで!

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